紅茶や中国茶、日本茶はツバキ科の常緑樹であるチャの葉から作られますが、マテ茶はモチノキ科の常緑樹であるマテの葉や枝を乾燥し、粉砕、精製したものです。
パラグアイのグァラニ族が、活力を与える不思議な木として飲用を始めたことが起源とされています。17世紀に、イエズス会の修道士たちによって薬として飲用されるようになり、一般の飲み物として広く普及することになったとされています。
マテ茶の木は、イグアスの滝周辺の火山溶岩流が風化して出来た赤土(テラロッサ)といわれる、鉄分やカルシウムを豊富に含んだ土壌でしか育ちません。そのため、マテ茶の生産国はアルゼンチン、ブラジル、パラグアイの3カ国に限られています。現在、その年間生産量は、ブラジル約44万トン、アルゼンチン約30万トン、パラグアイ約8万トンとなっています。
北中米に於けるコーヒー、欧州に於ける紅茶と同じように、マテ茶は南米の代表的な国、ブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイを中心に、広く一般的な家庭飲料となっています。
最近ではその香りや味わいなど飲料としての魅力にえて、その健康や美容への効果効能への期待からアメリカでもよく飲用されるようになり、コーヒーと紅茶(中国茶や日本茶含む)に並んで、世界三大飲料のひとつと称されています。
注1. コーヒー(生豆)、茶、マテ茶の年間生産量は国連食料農業機関(FAO)データ、ココア豆の磨砕量、
ならびにココア豆の飲料用途の磨砕量は日本チョコレート・ココア協会データをもとに矢野経済研究所推計
注2. コーヒー(生豆)はアラビカ種・ロブスタ種・リベリカ種
マテ茶はグリーン・マテ茶とロースト・マテ茶の2種類があります。
収穫した葉は24時間以内にサペカード(目開き:葉に直火をあて表面にひび割れを起こさせ、20%脱水する)をし、1日位おいて乾燥させ水分率を5~6%にします。
それを1cm角位に粉砕する。さらに、味と香を高める為に約一年間貯蔵して熟成させます。熟成したマテの葉を更に細かくし、異物の選別した後、品質、味、産地、大きさなど消費目的によりブレンドして商品化する。このようにして作られたものが「グリーン・マテ茶」と言います。主に、アルゼンチン、パラグアイではこれをホットあるいはアイスで砂糖などを加えずに飲んでいるようです。
グリーン・マテ茶を焙煎したものをロースト・マテ茶と呼びます。ローストすることにより成分の含有量は、グリーン・マテ茶よりは減りますが、香ばしさが加わることで飲み易くなり、主にブラジルで砂糖やミルクを加えて飲まれています。