9月1日はマテ茶の日

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マテ茶について

マテ茶って何?

マテ茶は主に南米大陸南東部地区(アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ)で生産されている飲料で、モチノキ科の潅木(かんぼく)の葉や枝を乾燥し、粉砕、精製したものに熱湯を加えて飲用します。パラグアイのグァラニ族が、活力を与える不思議な木として飲用を始めたことが起源とされていて、ミネラル、特に鉄分とカルシウムの含有量が高く、ビタミンはAとBを多く含んでいます。葉緑素も豊富に含むことから、通称「飲むサラダ」と言われています。

飲み方として、紅茶や緑茶のように、ポットでいれて飲むコシード式と、ひょうたん状の容器にボンビージャと呼ばれるストローを使用するユニークで伝統的なシマロン式があります。

グリーン・マテ茶

収穫した葉は24時間以内にサペカード(目開き:葉に直火をあて表面にひび割れを起こさせ、20%脱水する)をし、1日位おいて乾燥させ水分率を5~6%にします。それを1cm角位に粉砕する。さらに、味と香を高める為に約一年間貯蔵して熟成させます。熟成したマテの葉を更に細かくし異物の選別した後、品質、味、産地、大きさ等消費目的によりブレンドして商品化する。このようにして作られたものが「グリーン・マテ茶」と言います。主に、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイではこのタイプを好んで飲んでいます。

ロースト・マテ茶

グリーン・マテ茶を更に焙煎したものは、ロースト・マテ茶とよび、グリーン・マテ茶と区別しています。焙煎することにより成分の含有量は、グリーン・マテ茶よりは減りますが、香ばしさが加わることで飲み易くなり、主にブラジルで飲まれています。

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マテ茶の歴史

北中米に於けるコーヒー、欧州に於ける紅茶と同じ様に、南米の代表的な国、ブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイを中心に、広く一般的な家庭飲料となっているマテ茶の発祥地はどこか確定することは困難です。恐らくは、これらの地域に自生していたものを、現地住民インディオが飲用していたものと思われます。記録的には、15世紀末から現地に進出、植民を始めたスペイン人の開発基地となったパラグアイ国を中心として計画的栽培が行われたことになっています。

ユニークな香りと味わいではありますが、常用すると忘れられないその秘めた魅力と、 肉食を中心とした食事で、野菜の不足していた食生活に欠くことの出来ないビタミン、葉緑素、カルシウムの補給源として、体験的、生理的にマテ茶を欲し、これを生活必需品として位置づけることになったのでしょう。その消費は、パラグアイに始まって牧童(ガウチョ)の多いアルゼンチンに広がり、又その生産適地である南部ブラジル地域にと、生産・消費が拡大されて今日に至っています。現在ではその生産量は、ブラジル約44万トン、アルゼンチン約30万トン、パラグアイ約8万トンの順になっており、今後の消費地としてアメリカ、日本(南米諸国から日本に出稼ぎに来ている15万人の人々の間に需要が拡大している)、ドイツ等が期待されます。

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マテ茶と健康

カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄分、食物繊維を豊富に含むマテ茶は、南米特有の肉料理中心の食生活で、慢性的な野菜不足を補って余りあるバランスの良い健康効果を長年の実績で証明しています。

空気の薄い山岳地帯のインディオの人たちの強健な体力の秘密の一つはこのマテ茶にあるのです。全世界注目の強固な肉体を必要とするスポーツ「サッカー」の強豪国(アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ)が集中していることは、その紛れもない証明と言えるでしょう。

有効成分「お茶」100cc中の成分分析表

マテ茶ウーロン茶杜仲茶
カルシウム17.1mg0.6mg2.2mg
マグネシウム13.0mg1.09mg0.59mg
亜鉛0.82ppm0.26ppm0
鉄分0.59mg0.03mg0.02mg
食物繊維0.90%00

飲用効果は、食欲・消化促進、滋養、疲労回復、ビタミン補給など多岐にわたるとされています。他の嗜好飲料と含有成分を比較すると、葉緑素、鉄分、カル シウム、カリウムが多く鉄と化合して腸内吸収を妨げるタンニンやカフェインのような刺激性のアルカロイドが少ない。こうしたミネラル分が人間の筋肉、消化器系、神経系、泌尿器などへの生理作用に良い結果をもたらすものと考えられています。

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マテ茶の魅力

「飲むサラダ」と言われるように、ポリフェノールのひとつであるフラボノイドを多く含み、緑黄色野菜不足の方に特にお勧めです。緑茶と同じ感覚で抵抗なく、私たち日本人の味覚にしっかりフィットしています。南米の神秘の世界にひと時の魔法のように誘ってくれる魅惑の飲み物です。ちなみに、アルゼンチン、パラグアイではグリーンタイプ、ブラジルではローストタイプが飲まれています。

マテ茶Q&A

マテ茶に関してお客様からよく寄せられるご質問を取り上げてみました。

Q. 「カフェインは入っていますか?」

A. はい、量は少ないのですが入っています。入れ方によっても変わりますが、カフェインの含有量はコーヒーの約1/4、紅茶の約1/3、緑茶の約1/2程度です。

Q. 「母乳をあげているがマテ茶を飲んでも大丈夫ですか?」

A. 授乳時によく気にされるのがカフェインですが、カフェインの含有量はコーヒーの1/4程度ですので、飲みすぎなければ問題ないレベルです。しかしながら飲みすぎには注意してください。

Q. 「赤ちゃんに飲ませても大丈夫ですか?」

A. まだ、離乳食が終わるまでは避けた方が良いでしょう。大人と同じ食事を摂るようになってからお飲みいただくことをお勧めいたします。

Q. 「妊婦ですがマテ茶を飲んでも大丈夫ですか?」

A. 少量ながらもカフェインが入っていますので、大量の摂取は避けてください。しかし、妊婦の方に不足がちになるミネラル分等が含まれていますので、薄めのマテ茶を適度に飲むのであれば問題ならないレベルです。妊婦の方へマテ茶を勧めている産婦人科医の先生もいるぐらいです。

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世界の研究データ

マテ茶について

大阪市立大学名誉教授 湯浅 勲

マテ茶(Ilex paraguariensis)はブラジル南部、アルゼンチン北部やパラグアイおよびウルグアイで栽培され、南アメリカの多くの地域で伝統的な飲み物として飲用されている。米国においても飲料としてマテ茶がこの十年の間によく飲用されるようになってきた。マテ茶にはカフェオイル誘導体として、カフェオイル酸、クロロゲン酸、3,4-ジカフェオイルキナ酸、3,5-ジカフェオイルキナ酸、4,5-ジカフェオイルキナ酸が、フラボノイド類としてケルセチン、ルチンとケンフェロールが、メチルキサンチン類としてカフェイン、テオフィリンとテオブロミンが、そのほかにタンニンやトリテルペンサポニンが含まれていることが明らかにされている。さらにマテ茶に含まれるポリフェノールの総量は、ポリフェノールが多く含まれることで知られている緑茶や赤ワインよりも多い。

このマテ茶の生理作用に関する研究はまだ浅く、活発に行われ始めたのは1990年代の半ばであり、数多くの報告がなされるようになったのはここ数年である。そこで、現在まで明らかにされているマテ茶の主な作用について紹介する。

1.抗肥満効果

肥満は糖尿病、高血圧などのメタボリックシンドローム発症にかかわる。したがって、肥満を防ぐことは生活習慣病の予防にとって非常に重要な課題である。高脂肪食を8週間与えて肥満状態になった動物(マウス)にマテ茶抽出物を摂取させたところ、体重増加が抑制されること、また血清中の中性脂肪やLDL-コレステロールの濃度が減少することが報告されている1-3)。Pangら1)は、高脂肪食の摂取によって誘導される脂肪組織での脂肪合成経路の亢進がマテ茶の摂取により抑制され、その結果、脂肪蓄積の減少を引き起こしていることを示唆した。一方Martinsら3)は、試験管内での実験において、マテ茶抽出物が脂肪の吸収に重要な働きをする膵リパーゼ活性を阻害することを見出しており、この消化酵素であるリパーゼ活性阻害が動物における体重減少や血清中の中性脂肪やLDL-コレステロール濃度の低下をもたらしたと推測している。さらに、ヨーロッパではヒトへの応用について研究されている。すなわちデンマークのCharlottenlundメディカルセンターの肥満研究グループは、マテ茶およびガラナやダミアナなどの植物抽出物の入ったカプセル(112mgマテ茶抽出物、95mgガラナ抽出物、36mgダミアナ抽出物含有)を肥満患者に45日間投与(3カプセル/日)したところ、体重が顕著に減少したことを報告している4)。さらに、同様の研究はイギリスのLeeds大学などでも実施され、その効果が確認されている5)。

2.抗酸化作用、抗動脈硬化作用

体内で産生された活性酸素は、細胞膜やタンパク質および核酸などを酸化させることによって細胞を障害し、多くの病気を引き起こすと考えられている。したがって、活性酸素を消去することは健康維持に重要である。ヒトは抗酸化酵素系と抗酸化物質系の2つのシステムによって体内で産生された活性酸素を消去し、身体を防御する機能を有している。

マテ茶にはポリフェノールの含有量が多いことから、その抗酸化能は緑茶やワインなどよりも高いことが見出されている6-7)。さらにサンパウロ大学のMatsumotoらは、マテ茶を飲んだ健康な若い女性の血液中のグルタチオンペルオキシダーゼ、スーパーオキシドジスムターゼおよびカタラーゼなどの活性酸素消去系酵素の発現が上昇することを見出している8)。

動脈硬化は活性酸素が原因で発症する。動脈硬化を引き起こす要因はLDL-コレステロールの活性酸素による酸化である。マテ茶にはLDL-コレステロールの血漿中の濃度を低下させるという報告9)と、さらにLDL-コレステロールの酸化を抑制する効果のあることも報告されている10)。これらの結果は、マテ茶を日常に飲用することは、酸化ストレスから体を保護することができることを示唆している。

3.糖尿病に対する作用

高血糖がつづくと糖化産物(AGE)が産生される。このAGE の形成は糖尿病の合併症を引き起こすといわれている。AGEを少しでも身体の中に発生しないように努めることが糖尿病やその他の生活習慣病を予防するために重要なことである。マテ茶はAGE形成を抑制する作用を有することが報告されている11)。

4.記憶障害に対する作用

マテ茶には認知能力を改善させる効果があると古くからいわれていたが、最近、マテ茶を摂取したマウスを用いたモーリス水迷路試験の結果から、マウスの学習・記憶能力が高まることが明らかにされ、その古くから言われていた効果について実証された12)。さらにマテ茶によるパーキンソン病予防効果の可能性についても報告されている。この研究は、薬剤によってマウスの大脳に障害を与えるパーキンソン病モデルを用いて、マテ茶を摂取すると、その障害が保護されたことを報告している13)。これらの研究は、神経系の障害に対してもマテ茶が有効に作用するであろうこと、またその作用はマテ茶の持つ強い抗酸化作用によることを示唆している。

5.ガンとの関わり

マテ茶の飲用とガン、特に口腔、食道部位でのガン発生との関連に関するケースコントロール研究により因果関係のあることを示唆する報告14, 15)がある。

これらの論文において、ガン発生リスクを高める因子としてマテ茶の飲用温度あるいは発ガン性物質の存在が示唆されている。伝統的なマテ茶の飲用はボンビラ(bombilla)という茶器と金属製のストローを用いるのが一般的である。この飲用法では高温のお茶が直接に口腔内や食道に触れることになるため、高温によって炎症がおこり、ガン発症に関係する。一方、マテ茶に含まれる発ガン物質の存在が示唆されたが、現在まで発ガン物質の存在は確認されていない。

マテ茶の飲用と前立腺ガンに関するケースコントロール研究ではボンビラを用いた飲用との因果関係はみられるが、ティーバッグタイプのマテ茶の飲用ではその因果関係は認められないということが報告されている16)。また口腔ガンや食道ガンにおいても冷やしたマテ茶を飲用している場合は、これらのガンの発生とは関係しないことが報告されている17)。ガン予防法の一つに熱い物を摂取しないこととあるように、マテ茶に限らずその他の飲料も高温の状態で飲用しないことが重要であると考えられる。他方、抗ガン性に関する動物レベル研究ではマテ茶抽出物にガン抑制作用があることが報告されている18)。

以上のことから、マテ茶は生活習慣病を予防する効果を有することが期待できる。

【参考文献】

1) Pang J., Choi Y., Park T., Ilex paraguariensis ameliorates obesity indused by high-fat diet: Potential role of AMPK in the visceral adipose tissue, Arch. Biochem. Biophys., vol. 476, 178-185 (2008)

2) Arcari D. P., Bartchewsky W., dos Santos T. W. et al., Antiobesity effects of yerba mate extract (Ilex paraguariensis) in high-fat diet-induced obese mice, Obesity, vol. 17, 2127-2133 (2009)

3) Martins F., Noso T. M., Porto V. B. et al., Mate tea inhibits in vitro pancreatic lipase activity and has hypolipidemic effect in high-fat diet-induced obese mice, Obesity, vol. 18, 42-47 (2010)

4) Andersen T., Fogh J., Weight loss and delayed gastric emptying following a South American herbal preparation in overweight patients, J. Hum. Nutr. Dietet., vol. 14, 243-250 (2001)

5) Ruxton C. H. S., Kirkwood L., MaMillan, B., Effectiveness of a herbal supplement (ZotrimTM) foe weight management, British Food Journal, vol 109, 416-428 (2007)

6) Bixby M, Spieler L, Menini T. et al., Ilex paraguariensis extracts are potent inhibitors of nitrosative stress: A comparative study with green tea and wines using a protein nitration model and mammalian cell cytotoxicity, Life Sicences, vol. 77, 345-358 (2005)

7) Dudonne S., Vitrac X., Coutiere P., et al., Copmarative study of antioxidant properties and total phenolic content of 30 plant extract of industrial interest using DPPH, ABTS, FRAP. SOD. And ORAC assays, J. Agric. Food Chem., vol. 57, 1768-1774(2009)

8) Matsumoto R. L., Bastos H. M., Effect of Mate Tea (Ilex paraguariensis) ingestion on mRNS expression of antioxidant enzymes, lipid peroxidation and total antioxidant status in healthy young women, J. Agric. Food. Chem., vol 57, 1775-1780 (2009)

9) De Morais E. C., Stefanuto A., Klein G. A. et al., Consumption of Yerba Mate (Ilex paraguariensis) improves serum lipid parameters in healthy dyslipedemic subjects and provides an additional LDL-cholesterol reduction in individuals on Statin therapy, Agric. Food Chem., vol. 57, 8316-8324 (2009)

10) Gugliucci A., Stahl A. J. C., Low-density-lipoprotein oxidation is inhibited by extracts of Ilex paraguariensis, Biochem. Mol. Biol. Int. vol. 35, 47-56 (1995)

11) Lunceford N., Gugliucci A., Ilex paraguariensis extracts inhibit AGE formation more efficiently than green tea , Fitoterapia, vol. 76, 419-427 (2005)

12) Prediger R. D. S., Fernandes M. S., Rial D., et al., Effect of acute administration of the hydroalcoholic extract of mate tea leaves (Ilex paraguariensis) in animal models of leaning and memory, J. Ethenopharm. Vol. 120, 465-473 (2008)

13) Milioli E.M., Cologni P., Santos C.C. et al., Effect of acute administration of hydroalcohol extract of Ilex paraguariensis St Hilarire (Aquifoliaceae) in animal models of Parkinson’s disease, Phytotherapy Res., vol. 21, 771-776 (2007)

14) De Stefani E., Fierro L., Mendilahasu M., et al., Mate intake, ‘mate’ drinking and renal cell cancer in Uruguay: a case-control study, Bri. J. Cancer, vol. 78, 1239-1243 (1998)

15) Goldenberg D., Mate: a risk factor for oral and oropharyngeal cancer, Oral Oncol., vol. 38, 646-649 (2002)

16) Bates M. N., Hopenhayn C., Rey O. A. et al., Bladder cancer and mate consumption in Argentina: A case-control study, Cancer Lett., vol. 246, 268-273 (2007)

17) Loria D., Barrios E., Zanetti R., Cancer and yerba mate consumption: a review of possible associations, Revesta Panamericana De Salud Publica-Pan American J. Public Health, vol. 25, 530-539 (2009)

18) Ramirez-Mares M. V., Chandra S., de Mejia E. G., In vitro chemopreventive activity of Camellia sinensis, Ilex paraguariensis and Ardisia compressa tea extracts and selected polyphenols, Mut. Res., vol. 554, 53-65 (2004)